micasso’s diary

Welcome to my page!!イギリスの大学に通う舞台演出家志望の20歳による日々思ったことや留学情報についてのブログ

未来の舞台演劇についての独り言

みなさんこんにちは!ミカソです:)

先日”劇団ノーミーツ”さんの「門外不出モラトリアム」を観劇して、人生で初めてのオンライン演劇に触れて、それを芸術自体が好きな友達に語った時に色々思ったこと考えたことがたくさんあって、ブログに書きたいと思います!

※パーセンテージは全部仮定です

 

 

舞台演劇っていうのはプラスαなもので、芸術だから、人生を豊かにするもの。普段なら舞台演劇は時間もお金もいるものだから余裕のある人が見聞きしたり、興味を持ったりする世界。 世の中の上位10パーセントにしよう。 そして世の中の下位10パーセント(例えばの話ね)は読み書きが出来ずに、芸術に憧れを持ち、またはそれを渇望するであろう人。だから、芸術を与えると自分から進んで受け入れようとする。 じゃあ真ん中の80パーセントは? 下位の10パーセントほどではない余裕がないわけではないし、上位10パーセントほど余裕があるわけでもない、いわゆる基準的な生活をしていて、もし演劇のメリットなんて知らなかったら、舞台演劇だなんて他のもの(例えばyoutubeとか)代用される可能性はいくらでもあるとだって考えられる。興味を持つ可能性が低いでしょう。 世の中を大きく変えることができるのは上位10パーセントの人かもしれないけど、差別なんて規則ではなく人の思想によるものだから80パーセントの人に大きな責任がある。

 

私は舞台演劇の全体的なプロセスを社会的なメリットを見いだし、演劇は生活するのに必要はないかもしれないけど、演劇に救われたことは沢山ある。だからこそ、演劇を通して差別を少しでもなくせれるように働きたくて、発展途上国の舞台開発に興味を持ってきて、つまり下位の10パーセントにどうやったら演劇を広めれるのか、または先進国でステレオタイプを無くして行きたかったけど、到底80パーセントには響かない。

 

そして、COVID-19の影響で最近成長が著しくなってきたオンライン演劇。オンラインプラットフォームを使用して演劇をするのはもちろん、チャリティーYouTubeに無料で上がっているものもある。 どちらも家で気軽に舞台演劇を楽しめるようになったから、興味を持ってくれる人がいるかと思う反面、家でも観れるから実際に劇場まで足を運ばなくていいという人ももちろん出てくるでしょう。そして、オンラインで伝わりにくい、板上で使う照明、音響、大道具などの必要がなくなってしまうかもしれない。 今の現状は私の最も危惧してたことで、劇場での演劇が本当にこれから必要がなくなってしまうのではないかと。だって、舞台演劇を観るだけではなく、劇場に行くまでの道のり、開演前のあの緊張感、緞帳が上がって照明が溢れた瞬間のあの心の跳ね上がり具合、アンコール時の拍手喝采、終演後の周りの人が作品について語り合う姿、劇場から家に帰るまでの余韻、セリフを心に刻み寝る夜、前後の全ての感情のコントロールは劇場での演劇だからこそ作り上げれるのではないかと思う。全ての過程が舞台演劇そのものを作る。しかし、オンライン演劇にはこの大切な過程が今のところ見当たらない。

劇場から離れて住む方、体が優れない方、経済的に余裕がない方はオンライン演劇でも脚本や演出によっては想いを伝えることが出来、沢山学べることもある。例えば昔上演した公演をインターネットで公開したり、映画館でライブビューイングすることでそういった方に届け、新たな顧客層を生む可能性はある。しかし、生だからこそ感じられる公演ごとの演技の違いや粋な息遣いが感じられない、ニュアンスが伝わりにくく心に響きにくいかもしれない。また、ネット上のコンテンツで満足し、さらに劇場に足を運ばなくなるかもしれない。

 

オンラインは観客にとってよりノンフィクションと感じさせることが出来る、現実と感じるから、演劇という非日常な空間を感じることができない。 劇場は観客にとってよりフィクションと感じてしまうところに位置する、非現実だけど空間全てがその演劇経験を包み込んでくれる。

私の目指してることって少しでも舞台というツールを使って偏見をなくすためだし、80パーセントの人を狙ってしていくべきだから、正直オンラインでもいいかもしれない。実際の舞台よりも手の届きやすさを感じるから。だけど、人と人との空間が重なっているからこそ、真の舞台だと思うし、それを観たり、参加したりするとメリットがたくさんある。

オンライン上の演技、それとも、生の演技か、これからの課題かもしれない。

今まで大学でもこの違いについて考えた機会はあったけど、やはりオンライン演劇という物を想像つきにくく、今は今までとの状況から一変してさらに考えるようになった。

COVID-19で舞台が観れないという4月当初の私だったけど、この機会にこれからの舞台芸術、新たな表現方法について考えることが出来てよかったのかもしれない。

 

そして、7月にまた”劇団ノーミーツ”が新たなオンライン公演を聞いて、楽しみで楽しみで居ても立っても居られない、、、

 

ミカソ

Twitter @micasso_uk