micasso’s diary

Welcome to my page!!イギリスの大学に通う舞台演出家志望の20歳による日々思ったことや留学情報についてのブログ

やっと

2021年5月28日

演劇学部に入学して早一年、やっと初めて板上に立てた。初めて演じて、初めて舞台を作った。

過去に高校のページェント劇で演じたことがあるから完全に初めてとは言えないが、過去の経験は忠実に決められたセリフや演技でキャラクターを再現するもので、今回が初めて自分でキャラクターを作ったと言える。演じることにおいても、創作においてもとても新鮮で、なぜか授業の試験なのにとてもワクワクした笑

軽く説明すると、授業から与えられた課題内容はデカメロンの100話のうちの1話をリメイクするということだけ。1クラスを1カンパニーとして扱い、役者、脚本、演出、舞台美術、小道具、コスチューム、照明、音響、音楽、監督の全てを自分たちだけで1つの作品を作り上げていく。13人しかいないクラスだから、もちろん1人の生徒につきいくつかの役割を持つことになって、みんながそれぞれの役割を持って、1つに融合していく。クラスメイトたちと一緒に作った80年代のドラッグショーのコンセプト、私は主に役者&照明デザイン&ポスターデザイン担当という三足の草鞋を履いた。そこで色々思ったことがあり、簡単にでもブログに書き留めたい。

 

初めての役者をして気づいたこと

・役者をしてると本当に裏方にはない目線が出来て、これから裏方するのにあたってのコミュニケーションの取り方とか、事前に準備しておくべきものとか、よりスムーズに出来そう。今までのように裏方は裏方だけしてれば足りるって安易な考え方をしてはいけなかった。

・声の通し方から、表情、体の向きと動き、舞台上の移動など、ただ単にセリフに声や動きを乗せるだけではなく、観客の目の前で行うからこそ常に後の行動を考えなければいけない。

・小芝居が難しい。自身がどんなキャラクターで、他のキャラクターとどんな関係性にいて、どう思っているのかを想像しながら演じないといけない。ストーリー、時代背景などの理解度ってここに出るんだなと思う。

・劇中に色々気づくことや、今までの積み重なってきた経験が顕著にその場の演技に表れてしまうから、毎回の演技やセリフのしゃべり方、感情の入り方が異なってきて、「ああ私ってこのために何回も同じ公演を観るのが好きなんだ」と感じた。

 

初めて板の上で作品を作ることで気づいたこと

・稽古場と実際の劇場に入った時の雰囲気が全然違う。

大きさが違うとCOVID-19の状況下もあって、劇中に2mのソーシャルディスタンスを保つために劇場に入った途端全部動きと立ち位置を覚えなおしになってしまう。本番直前まで頻繁に変わってたからたまに違う方に退場してしまうことも。

あとは緊張感、劇場に入って初めて他人に自分のパフォーマンスを観られることを意識して、演じるのをとても楽しく感じた。

・みんなで創り上げるって本当に今までリーディングして学んだことみたいに、他人の状況を理解する力(共感性)を持つことで、違った役割でも一体感に導くことが出来る。

・それぞれ違った役割や責任を持つことで、より自己肯定感が得られやすいうえに積極性が測れる。例えば、クラス全員の中で出しゃばりにくいことに罪悪感を感じてしまう私がついつい大勢の持つ責任に安心してしまう部分がある。でも、照明チームミーティングになると自分から進んでメンバーとプランを進めれたり、ポスターのような広報関係も自ら関係者に連絡するとか。細分化されるからこそ自分の担当にフォーカスが出来て、より自信持ってグループに属している感がある。

・やっぱり生の舞台っていいな、劇中に舞台裏に戻った際に励まし合えるうえに、すぐにでも改善できる点を指摘しあう。セットを組み立てたり、照明を操作できたり、話す間をうまく利用できたり、細かい芝居が出来る。

 

 

様々な気づきたちはこの状況下でやっと念願に出来たという喜びと初めてのワクワク感が相まってるのもあるが、これから何かをする度に再確認して確立していくのではないかとも思う。稽古期間中は演技を指摘されることやあんまりずばずば意見を言えないことから憂鬱で稽古行く前に号泣したこともあるけど、実際に劇場に入ってからやっぱり演劇って好きだなと感じるから。そして、全てを通して、自分なりの役割を導き出せて、作品自体の理解を自分なりの理解や想像で広げていくことって凄く楽しいし、永遠に心が躍る。だからこれからもさらに楽しみだ。

 

ミカソ